EN studio

写真家が主役のスタジオ

国内最大規模の総合制作事業会社である博報堂プロダクツには、23名ほどのフォトグラファーが在籍しています。
機能的な環境で彼らが常に刺激され、価値の高いクリエイティブを創りだす場をコンセプトに「EN studio」をデザインしました。


この空間は、住宅、倉庫、物流の3エリアを横断的に内包しています。大小二つの撮影スタジオを中心に、ゲストルーム、メイク室、キッチン兼バーを設け、フォトグラファーの作品が展示されるギャラリー兼レセプションエリアも完備しています。
入り口は階段とスロープのあるウッドデッキで、外からの目隠しを兼ねた長いベンチを設け、リラックスできるエントランス空間になっています。
床は既存のコンクリートを磨き、空間の持つ歴史を壊さぬように。
写真を展示する広々としたレセプションエリアには、落ち着いた色の高さを抑えた長テーブルとソファーを配置。倉庫だった建物の特徴を活かし天井高を強調しています。

レセプションエリアの引き戸の先には、白ホリゾントを備えたEスタジオがその姿を現します。大きな開口部からは、自然光を取り込むこともできます。
一方、少し規模の小さなNスタジオは、撮影機材置場、ミーティングスペース、パーテーションに囲まれ、サブの控え室としても使うことができます。このスペースは片手で楽に開閉できる最大で高さ7メートルにもなる引き戸で仕切られているため、解放すると視界は更に広がります。
スタジオ以外の機能は、東京らしいディテールと控えめな色でデザインし、家具は細長く低めに。マットな漆喰のバーカウンターは、地元の伝統的な要素を取り入れました。ゲストルームの手前には中庭をイメージした観葉植物を可動式で設置し、その隣にはメイク室と琉球畳敷きの部屋を設けています。

最新の技術と機材が揃っているだけでなく、クライアント、関係者、そしてフォトグラファーが仕事に集中できる、静かなオープンスペースが実現しました。